Classic car jaguar museum
戦前から戦後のJaguar コレクション
Classic Jaguar Museum
Jaguarの全盛期であった1950年代から1960年代のJaguar sportscar, Jaguar racecar, Jaguar salooon 中心のコレクションです。1960年代より親子二人が Jaguar Motoringを楽しみながら乗り継いできたコレクションです。
William Lyonsが1922年に設立した会社で最初はサイドカー製造からスタートして事業を拡大し、自動車メーカーへと転身し、スワロー・サイドカー・カンパニー → SS カーズ・リミテッド → 1935年に初めて Jaguar という名称が使われ、当初はSS Jaguar という名称に変わっていきました。しかし、当時SSという名称は、敵国ドイツ・ナチス親衛隊の略称「SS」と重なり好ましくないイメージがあるので、1945年に名称をJaguar Carsに変更し現在に至っています。
William LyonsがJaguarを創業し英国を代表する自動車メーカーに成長させましたが、それまでに至るまでにWilliam Lyonsを助けてJaguarを全盛にした人達が何人かいます。
William Heynes,Bill Rankin,Wally Hassan, Bob Knight, Lofty Englandなどであります。
Classic Jaguar Museum
その中でも、私が最も尊敬してやまないのは、William Lyonsの陰に隠れあまり目立たない存在であったMalcolm Sayerである。彼は航空機のデザインを大学で学び航空機空気力学や航空機の構造を研究していました。Malcolm Sayerは大変優秀でデザイン力が抜きんでていた
技術者であったが故にWilliam Lionsに導かれてJaguarに入社したのでありました。
Jaguarのスタイリングを不動のものにした、フェラーリのエンツォにして世界一美しい車と称されたJaguar E-typeをデザインしました。
その他に彼が手掛けた車はC-type、D-type、E-type、XJ13、XJ-Sであります。世界的に有名なイタリアのカーデザイナーであるピニンファリーナ、ベルトーネ、ギア、にも勝るとも劣らない非凡な才能を持ったカーデザイナーでありました。Malcolm Sayerが私は世界でもっとも優れたカーデザイナーだと思っています。
The Leaping Cat
Jaguarと聞けば、あのMascot leaping catを先ず最初に思い起こす人は、小生も含め多くの人がいると思われる。この期にこのMascotについて、Jaguarに関する内外の著書等を参考にして考案してみた。
かの有名なMascotが最初に現れたのは1957年のことである。当時は2種類のMascotが存在していた。
#.1 MASCOTTE DESMO 1937年~1950年迄使用。
最初に造られたMascotteである。当時SSカーズの宣伝部長であったErnest RankinがSS Jaguarのために、英国のアクセサリー工場であるデスモ社(DESMO LTD)に委託し造られたMascotteである。あたかも、柵の上を今にも飛び越えようとしているJaguarの幼獣の描写を彫刻したもので、顔の表情はせいかんさにかけるが、幼獣のためか、あどけなさが残っている。手足の仕草は何となくぎこちない。真鍮製で一つ一つ鋳造にて造られたもので、土台には円柱状の土台の上にDESMO のsignが記されている。ラジエーターキャップに付けられた。主にSS Jaguarファンにもあまり馴染みのないMascotteである。本邦にもほとんど存在していないと思われる。このMascotteはプレミア付きで高価である。
#.2 第一世代もMascotte 1938年 ~ 1951年迄使用
Jaguarファンならずとも、誰もがよく知っているマスコットである。このマスコットの誕生のいきさつは、The Auto Car誌の著名な画家であったFredrik Gordon Crosbyがその構想を提示しデザインしたものをSSカーズの当時の宣伝部長であり、ねっしんなアマチュア彫刻家のBill Rankinが型造ったものである。RankinはDESMO 社のマスコットよりも、より解剖学的にも正確なJaguarの姿態を目指してThe Auto Car誌のFredrik Gordon Crosbyにその原型を依頼したのであった。このJaguarの容姿は後ろ脚を折りたたんで、今にも跳躍しようとしているところを描写しており、素晴らしく力動的で筋肉の躍動感を表しており、しかも飾り気のない地味な顔立ちのMascotteであり秀作である。土台は三角形でラジエーターキャップに付けられた。このMascotteは最初はSS-100とSS saloonに付けられた。当時はオプションで2.1 ポンドであった。車同様お買い得であった。このMascotteは1957年のMkⅦから初めて標準装備品となった。SS Jaguar(1.5、2.5、3.5)、SS100、MkⅤ(2.5、3.5)のベルリーナ及びカブリオレに付けられた。XK120とMkⅦには決して付けられなかったのだがその理由は定かではない。真鍮製である。
この有名なMascotteにも、そのおいたちに関して熱心なJaguar Enthusiastから贋作だと指摘された2~3の逸話がある。その一つは、フランス人の彫刻家BRAUの1930年頃の作品である。(写真③)Bronze-Nickel製の猫の彫刻で、写真の如く極めて酷似している。フランスを中心に贋作だと騒ぎ立てられたが、当のCOVENTRYの首脳はその件に関しては如何なる報告も受けていないと突っぱねた。もう一つは、1930年代前半にMGのある車種に使われる予定の虎のエンブレムにも極めて似ているとJaguarファンが指摘したが、MG側もこれに関して特に問題にしなかった。。まだJaguarの社会での評価が低い時代であった。
#.3 Mascotte 第二世代 1955年 ~ 1964年迄使用
第二世代のMascotteは最も馴染み深いせいか小生も最も好きなMascotteである。第一世代が今にも跳躍しようと後ろ脚を曲げているのに対して、このMascotteでは極めて自然な形で、美しく後ろ脚が伸び、正に飛躍中の(空中での)Jaguarを表している。筋肉がはっきりと明瞭に浮き出て、矢の如く直線状に飛躍している容姿が良く表現されていると思う。第一世代がラジエーターキャップに付けられていたのに対して、第二世代はボンネットセンターライン前部に付けられた。台座は四角形(台形)である。このMascotteはXK-150,MkⅠ、MkⅡ、MkⅧ、MkⅨ、に付けられたがXK-140には付けられなかった。この第二世代のMascotteには製造番号が胴の下部に付けられている。この番号でどの車種に付けられていたMascotteであるか知る事が出来る。例えばDB4G15、DB7858,DB10954,等。
#.4 Mascotte第三世代 1965年~
第三世代からこのMascotteにも受難の時代がやってきた。多くのJaguar愛好家の反対にも関わらず、特にアメリカ合衆国の交通安全基準の対策上、《Big Cat》が《Small Cat》になってしまった。Volumeが半分になった為に、もはやこのマスコットは小さすぎて、小生にはほとんど感動するようなものは覚えていないが(ルーペで見れば第一、第二世代の様に感動するかもしれないが?)、その形態は第一世代と同時に後ろ脚をたたんでおり今にも跳躍しようとしている所を描写しているが、筋肉の躍動感に乏しくやや猫背でバランスが良くない。また、鋭いはずの眼球(眼光)が丸く欠伸をしている様な口元には精悍さが感じられない。このMascotteはMkX、420G、XJ サルーン、XJ-S等に付けられている。台座は楕円形である。やはり製造番号が付けられている。BD21037等と。(写真⑤)
写真⑥ 1947年製 3.5 Little ベルリーナの第一世代Mascotte
写真⑦ MkⅤのDESMO 社製のMascotte
写真⑧ MkⅡ、S-typeの第二世代のMascotte
写真⑨ プロトタイプ420上の第三世代のMascotte
以上、諸々の著書等に記載されている記事と小生の知見を多少交えたJaguar Mascotte関しての取り留めのない小生の話を終えるが貴男はどのMascotteが好き???
春山 喜一
参考著書
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Jaguar By Lord Montagu
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Jaguar Berlines et tradition By Bernard Viart
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The JAGUAR STOURY By JOSEPH H. WHERRY
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JAGUAR THE CONPLETE ILLUSTRATED HISTORY By Philip Porter